ロシアの偉人

周期表のドミトリ・メンデレーエフの生涯・業績・日本との関係、現代に通用する勉強・仕事術

あきら
あきら
こんにちは。偉人ライターのあきらです。
今回は、周期表の生みの親メンデレーエフから学びましょう!

 

『化学者』と聞いてあなたは誰を思い浮かべるだろうか?
ノーベル、アインシュタインなど名前が挙がるだろう。

メンデレーエフ。

彼について知っている人がいるだろうか?

高校時代に『すいへーりーべー』とよくわからない語呂合わせで周期表を覚えるが、誰が作ったかは殆どの人が知らない。

この周期表の作成は、メンデレーエフの功績である。

物理学の分野において、ノーベル賞の受賞者が次々と誕生した原子構造研究は、メンデレーエフの周期表なくしては成し得なかったもの。

彼の業績は、化学・物理学分野の発展には欠かせないほど重要なものだったと言える。

これほど偉大な功績を残した人物にも関わらず、ノーベル賞を逃し、驚くほど知名度が低い。

また、メンデレーエフの元素の周期律は、それまでの化学の考え方を覆したものであり、当時、未発見だった元素も予測していた。

その業績は、彼のひらめきから生まれたものである。

ぜひ、このひらめきの天才・メンデレーエフについて知ってもらいたい。

メンデレーエフの生涯

ドミトリ・メンデレーエフ(1834~1907年)は、ロシア西部にあるドボリスクに14人兄弟の末っ子として生まれた。

14歳の時に、父を亡くし、家族と共にロシア帝国の首都・サンクトペテルブルクに移り住んだ。

幼少期の彼は、兄弟の中でもずば抜けて賢かった。
そのことで、両親の勧めもあり、メンデレーエフは、『シベリア流刑の政治犯罪科学者』からヨーロッパの最新科学について教わっていた。

高等師範学校卒業後、クリミア半島のシンフェローポリにある中等学校に赴任。

しかし、クリミア戦争中だったこともあり、講義がなく、別の学校へと転任になった。

メンデレーエフは、研究を続けながら数回の転任を経て、1865年、サンクトペテルブルク大学の員外教授となった。同年12月には、正教授となった。

1869年、メンデレーエフは、ロシア化学学会で、元素の周期性について論文を発表した。

1890年、大学を辞任してからは、海軍省の依頼で無煙火薬の研究を行い、ピロコロジオンを発明した。

以後、メンデレーエフが死去するまでの数年を度量衡局の局長として単位の改善に尽力した。

メンデレーエフの業績

やはり、『周期表』の作成が、メンデレーエフの一番有名な功績だ。

高校時代、化学で最初に『すいへーりーべー』と、語呂合わせで覚えた人も多いはず。

『元素の周期表』とは、元素を原子量の小さな順に並べたとき、類似した性質を示す元素が一定間隔で現れることに基づいて、化学的性質が類似した元素が同じ列にくるように作成した表を言う。

今では当たり前の元素の周期性という考え方は、発表した当初、疑うものも多かった。しかし、メンデレーエフの発表した周期表にはいくつかの空欄があり、そこには、彼の予言した通りのガリウムや、スカンジウム、ゲンマニウムといった新元素が数年後、発見された。

この発見により、メンデレーエフの周期表の正確さが高く評価された。
この功績を讃え、101番目の人工元素は、『メンデレビウム』と名付けられた。

大学を辞任した後のメンデレーエフは、ロシア海軍省の依頼で無煙火薬の研究を行い、ピロコロジオンを開発した。
が、コスト面の問題等によって、採用されることはなかった。

さらに、メンデレーエフは、近年再評価されている、『石油の無機起源説』の提唱者としても有名だ。

メンデレーエフは、ヨーロッパ諸国から大きく遅れを取っていたロシア化学界を牽引した人物だったが、1906年、ノーベル化学賞の選考で、フッ素を発見したフランスのモアッサンに敗れ、翌年、彼は死去した。

この後、物理学の分野において、ノーベル賞の受賞者が次々と誕生した原子構造研究はメンデレーエフの周期表なくしては成し得なかったものであり、彼の業績は、化学・物理学分野において重要なものだったと言える。

メンデレーエフの人としての魅力

メンデレーエフと言えば、『ひらめきの天才』と言われるエピソードがある。

ある朝、メンデレーエフが、コーヒーを飲んでいると、友人から葉書が届いた。

その葉書には、『三つ組元素をどう思う?』と書かれていた。

この問いかけに、メンデレーエフは、ひらめきを感じ、
昼食までの間に周期表の素となる表を完成させたという。

この時飲んでいたコーヒーのカップを葉書の上に置いたらしく、丸いシミの付いた葉書がメンデレーエフ博物館に残されている。

当時は、化学的性質が類似した元素が三つ一組になっていると言う考え方の『三つ組元素』が、主流となっており、
メンデレーエフの元素の周期性と言う考え方は、驚くべき考え方だった。

さらに、この時まだ発見されていなかった元素についてもメンデレーエフは予測している。

メンデレーエフは、従来の型に囚われない柔軟な考え方を持ったひらめきの天才だ。

また、周期表を生み出した逸話であるように、

  • ひらめいた時にすぐ行動して、
  • ダラダラ仕事を長引かさない、

これは、『鉄は熱いうちに打て』を体現している。

仕事や勉強は、

ただムダに時間を使ってするのではなく、
決めた時間に集中して行った方が効率良くでき、

時間や気持ちにゆとりが生まれる。

この様な考え方は、時間に追われる私たちにとても必要なこと。

また、メンデレーエフの周期表の完成の逸話で、研究に疲れた彼は、何か見たことのない不思議な表に元素記号が並んでいた夢を見たというものがある。

『夢』がきっかけで、周期表が完成したと言う逸話も夢があって私は好きだ。

夢に見てしまうほど、一つのことに没頭してしまうところも魅力的だ。

メンデレーエフと日本

他にも、メンデレーエフは、日本とも少なからず縁がある。

メンデレーエフの息子・ヴラジミールは、海軍少尉として、長崎に数回寄港していた。そのとき、ヒデシマ・タカと言う日本人女性との間に娘をもうけている。

日本では、教科書で名前を習う程度で、あまりメジャーな化学者ではないが、
メンデレーエフの残した業績は現代化学・物理学の発展において計り知れないものがある。

また、メンデレーエフの時間の使い方や研究熱心なところを見習いたいと思っている。

オススメの書籍

メンデレーエフについての書籍ではないが、『元素』についての書籍で、オススメのものがある。

元素キャラクターBOOK げんそじん

まず、一つ目は、『元素キャラクターBOOK げんそじん』である。

げんそじんは、だじゃれ好きで偏屈老人・メンデレーエフが主人公。
113種類の元素を『げんそじん』というキャラクターにし、だじゃれや通り名を用いて元素を覚えやすく紹介している。

各元素について、基本的な物性や情報が書かれている。
げんそじん達は、各元素の特徴を捉えており、化学が苦手な方や小学生でも読みやすい。だじゃれが少し強引なものや暗記に向かないものもあるが面白い。

ブルーバックス 元素111の新知識

二つ目は、『ブルーバックス 元素111の新知識』である。科学関係の書籍も多いブルーバックスシリーズの一つ。

元素について基本的なことが書かれており、元素一つ一つに焦点を当て、物性や名前の由来、製造方法などの基本的な情報が載っている。
元素の辞典としても使用できる。

また、各元素の主な化合物についても書かれている。化学の基礎的なことが多く載っているため、化学が好きな方や、今から勉強してみたいという方にオススメだ。

また、間にあるコラムは面白く、ためになる。
なお、現在は、118番目の元素まで確認されているが、本書は、111番目の元素までしか書かれていない。

まとめ:再評価したい“ひらめきの天才”メンデレーエフ

メンデレーエフの周期表の完成という功績は、あまり評価されていないが、化学・物理学分野の発展において、とても重要なものである。

また、メンデレーエフのひらめきや発想力は素晴らしく、彼の短時間で集中して作業を行う点や、研究熱心なところを私は尊敬している。

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