日本の偉人

新渡戸稲造の生涯・人柄・名言から学ぶ日本人の心の原点

こんにちは。教育関係の仕事をしている、のりです。
書物を読むのが好きで、得にも歴史ものが好き。
今回は新渡戸稲造を語ります。(現代のビジネスマンの皆さんにオススメな偉人さんです。)

新渡戸稲造とは

新渡戸稲造は「武士道」を書いた有名な偉人。

武士道という本は、世界的に有名なもので、日本だけでなく、あのジョン・F・ケネディも武士道を座右の銘に掲げるほどで、世界的にとても有名だった書物だったことが分かります。

ちなみに、世界で30カ国もの国で翻訳されており、世界の平和に生涯をささげた人物で、「我太平洋の懸け橋とならん」という言葉が有名で、日本で最初の国際人とも言われている。

国際的な視点で、さらに、世界中から賞賛された新渡戸稲造の素晴らしさは次の3点。

  1. 利益有利ではなく、奉仕の心、人格を大切にしている視点。
  2. 男尊女卑の日本時代で男女平等を説く先駆者の視点。
  3. 世界平和に貢献する視点。

新渡戸稲造の生涯と人柄

北海道大学新渡戸稲造像

新渡戸稲造(にとべ いなぞう)は、1862年9月1日、岩手県盛岡市に生まれる。
札幌農学校に行き、クラークやキリスト教と関わることで、日本の古くからの思想だけでなく、世界的な視点で様々なことを学ぶ中で彼の思想や人格が形成されていったと思われる。

武士道につづられる日本の精神

「武士道」を著したのだが、世界的に広まったこの著書は、

  • 宗教を超え、さまざまな国の人たちの存在価値を認識しながら、
  • ともに学びあい、支えあうことを理想とし、
  • 新しい道徳観を日本古来から伝わる意識

も含め、海外の人にも通じる表記で淡々と書きつづられている。

新渡戸稲造は日本の男女平等の第一人者

そして、重要視し書かれているのが男女についてだ。
当時の日本は男尊女卑の感覚がありながらも、男女間のあらゆる差別に反対しており、

男性がどんなに頑張ったとしても世の中のもう半分の女性が力を発揮しなければ、日本の発展はない

という内容が書かれている。

まさしく新渡戸稲造は日本の男女平等の第一人者といっても過言ではない

世界で尊敬される新渡戸稲造の人柄

新渡戸稲造の妻メアリーはアメリカ人ということもあり、日本だけの思想にとどまらず、世界的価値観を大切にしている点もとても素晴らしいと思う。

新渡戸稲造は「地球上のすべての国民の精神的価値は、その国民の伝統文化に根ざしている」とも教えを説いている。

日本文化を世界に発信しつつも、どの政界の文化をも敬意を払っていて、そういった考えから多くの国の人々に信頼される。
人格に優れているところから、多くの経営者が新渡戸稲造を支持している。

現在は当たり前に、日本が世界へ進出している時代だが、新渡戸稲造が世界の懸け橋となり、日本文化、経済が世界に広まっていったのだと歴史をたどって行くと実感できる。

他に代表的なエピソードとして、1920年、第一次世界大戦後に創設された国際連盟の事務次長に就任したことがあげられる。
オーランド諸島で起きた紛争を解決させた人物として日本だけでなく、世界的にも有名なのがわかる。

日本の5,000円札にもなり、ご存知の方も多いのではないだろうか。

新渡戸稲造から生き方・名言から学ぶ

我太平洋の橋とならん

この言葉から彼の素晴らしい奉仕の心が見えてきます。

日本では世界の懸け橋といえば新渡戸稲造で有名ですし、ソニーなど多くの経営者も尊敬する思想家といえるのではないでしょうか。

自分の利益だけでなく、他の利益、そして、他の文化を尊重する彼の言動は多くの国々で支持されています。

東日本大震災で被災直後の悲惨な状況の中、マナーやモラルを守った日本人の落ち着いた集団の行動も世界にインパクトを与えましたが、
まだ世界に認知されていない時代に、日本人の行動の素晴らしさや日本人の心を世界に広めた第一人者と言えるのではないでしょうか。

自分の一生を他の人の利益優先に、そして、世界平和の発展に尽くす心こそ、ビジネスにも通用するものであり、
特に利益優先であるこの時代にもう一度思い出し、日本人の心を振り返るにふさわしい人物です。

宗教は神父という言葉がありますが、まさしく、新渡戸稲造はビジネスにとっての神父ともいえ、ある種信者も多いのでしょう。

殺伐とした世の中に変容しない日本文化を作るためにも、この新渡戸稲造の武士道精神を持ち続けることがで、自分のビジネスに対する本来の目的、そして、いろいろな人に関わる自分の人格の安定をもたらしてくれます。

信頼こそが会社の存続に関わるものであり、その信頼を作るのは人であるからこそ、思想が生まれるのだと思います。
新渡戸稲造はビジネスの経営方法だけでなく、土台となる人間力を振り替えさせるとても素晴らしい偉人です。

新渡戸稲造のゆかりの地・書籍

新渡戸稲造記念館
(岩手県花巻市)

おすすめの書籍は、もちろん「武士道」。

新渡戸稲造が書いた「武士道」に関連したビジネス書もたくさんあるが、まずは、原点である本人の武士道を読んでほしい。

少々文章は固く、読むのに抵抗があるであろうが、
そもそもその読む行為自体が修行と捉え、新渡戸稲造の思想を大いに堪能したい。

最近のビジネスは手法、利益ばかりに重視され、技術的な部分がクローズアップされているが、それを実行する人間そのものが病んでいては真の利益とは言えず、経営も長くは続かないであろう。

ネット社会である今だからこそ、人間本来の心、そして、世界に誇る日本の心こそがいま重要なのではないだろうか。

利益を得るための人間そのものの人格を形成すること
それがいい会社へと結びつき、そして、素晴らしい経営者となり、会社が円満で安定する要因となるのではないか。

ちなみに、彼の出生地の岩手県花巻市には新渡戸稲造記念館がある。「銀河鉄道の夜」で有名な宮沢賢治記念館もすぐ近くにあり、偉人を探索するにはとてもいい立地条件となっている。

本だけでなく、もし、ゆとりがあれば、そういった聖地巡礼をすることも、自分を振り返るよい機会となるのではないだろうか。

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